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コラムバックナンバー 第一回「グランドセイコー9Fキャリバー搭載モデル」

第四話 「グランドセイコー スプリングドライブ SBGA011」

 私がオススメする時計・・・好きな時計は何だろう・・・
 今回のコラムを担当するにあたり、あらためて考えてみた・・・何だろう。

 時計とは、身に着けるその人その人、それぞれの生活の時を支配し、刻み続ける。1日の大半をその人の最も身近で過ごす存在である。肌に直接着ける分、その距離もまた近い。2度と戻ることのない、貴重な一瞬を刻み続ける、時計とは特別な存在だといえる。

 だからこそ私は、私が大切に思う全ての人々、家族であり、友人であり、特別な人であり、大好きな人達が身に着ける時計全てが好きである。愛しく思える。

 それは、時計がいわばその人の分身のようなものだからである。

 好きな時計=好きな人・・・と言ったら過言だろうか。


 Grand Seiko「SBGA011」。

 マスターショップモデルの中でも特に人気が高く、当店での人気もまた高い。深雪をイメージした独特の文字盤をスーっと走る青い針がまた良い。綺麗である。

 吸い込まれ、見とれる程に魅力的な動きをしている。

 全体のフォルムからして、時計自体がいわば芸術品。

 重厚な見た目とは反して、チタン製の軽さが使い易さをプラスする。

 SEIKOは「世界のSEIKO」とも言われ、その知名度も高いが、特にG・S等高級時計は、製作に携わる人々の高度な技術があってこそ完成する。故に又、その尊さが増す。


 私の父は、身に着けるものに対して、特にこだわりを持たない。それは時計に対しても同じであるが、そんな父が、男のお洒落とは縁遠い父が・・・・とは失礼、そんな父が「SBGA011」を身に着けている。実に格好良い。

 G・Sの、シンプルながら、故に放つその存在感。

 ただ凛と、身に着けた時から人々を魅了する独特の空気を放つ。何とも言葉にしがたい雰囲気。実際に見れば言葉などいらない。そんなGrand Seikoである。

 父も、実際身に着けていると、周囲から賞賛されるようで、それを嬉しそうに話す。そんな父を見ると、私も又嬉しい。良いものは良い。そういうことである。良いものを見につける喜びを、腕と心で、父は実感している。

 Grand Seiko「SBGA011」・・・身につけた者の時を刻み続ける芸術品。

 父の時計。 そして私の好きな時計。
(S.S)


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