- 時のコラム
- 第六話:SクレドールGTAP981&グランドセイコーSBGA001
第六話
「クレドールGTAP981 & グランドセイコーSBGA001」
ヤマザキも創業から50周年が過ぎ、ヤマザキで販売された数々の腕時計が、たくさんのお客様の腕を飾っている事でしょう。
私はヤマザキ入社17年目になります。
販売員として多くのお客様と出会った中で、特に私の印象に残っているお客様と腕時計についてお話ししたいと思います。
【クレドール GTAP981(現在廃番)】
1995年に「今年退職になるので、退職記念に腕時計を購入したいのですが」という女性が来店されました。
特にどの商品が欲しいという要望がありませんでしたので、お客様に色々とお話をお伺いしたところ、「○○年働いて、今まで色々あったけど、頑張って働いてきたわよー」等々、今までの思いをたくさんお話されました。
そのお客様は服装がシンプルでキャリアウーマンな感じ。年齢は50代くらいだったでしょうか。私は思い切って「クレドール GTAP981」を薦めました。
この時計は一見シンプルですが、『洗練されたメレーダイヤの取巻き、高級感』『手作業研磨のなめらかブレスレット、女性らしさ』『流行に流されないデザイン』がコンセプトの、大人の女性にピッタリのジュエリーウォッチです。
まさにそのお客様のイメージにぴったりで、とても気に入ってお求め頂きました。
一人の大人の女性が今までの想いと、これからの想いを込めた瞬間でした。
【グランドセイコー SBGA201(SBGA001 当時)】
多くの腕時計が機械的に大量生産される時代の中で、「SBGA201(SBGA001 当時)」は構想からお客様の手に渡るまでの間、「作り手さんの思い」「匠の技術」「見えない部品までものこだわり」「精度へのこだわり」など、とても細かい所までは書き切れませんが、物凄く思いのこもった、人の手間をかけている腕時計なのです。
これらを考えると、単に高級腕時計というだけでなく、誇らしげに腕に付けられる逸品だと思います。
私たち販売員は「お客様」と「作り手さん」の想いをつなげる立場にいるのだと改めて思います。お客様との出会いの瞬間を大切に、作り手さんの想いを壊さないように、また、素敵な腕時計にこれからも出会えるのを楽しみにして・・・。
P.S. 1995年から12年。ついこの間、例の女性が電池交換のために来店されました。電池交換をした腕時計はあの『クレドールGTAP981』。
まだまだしっかり現役でした^^。(M.S)